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歯磨きネタ②

​ 「1日何回歯みがきしていますか?」

​ 歯医者でよく聞かれるフレーズだと思います。1日3回磨きましょうというのが定番かなと思いますが、実は自分はほぼ1日1回しか磨いていません(笑)。なぜ1日3回なのかというと、ご飯を食べた直後は歯に汚れ(プラーク)が付きやすくなる、寝ている間は唾が少なくなるので菌が活発になるといった点から、食後や寝る前の歯磨きが推奨されるためこの回数なのかなと思います。

 プラークが歯に付着したらすぐに虫歯になるわけではありません。歯の一番外側はエナメル質といって最も硬い部位になるのですが、この部分が徐々に溶かされていく(脱灰)ことによって虫歯菌が歯の内部に侵入していきます。この溶かされる量がごく僅かであれば、唾液の作用である再石灰化によってすぐに修復します。ある程度進行してしまうと修復が難しくなり、虫歯として成立するのですが、ここに至るまでにはある程度時間が必要です。つまり、プラークがついたまま丸1日くらいはほったらかしていたところで何も問題はないのです。

​ 話を戻します。1日3回磨くということは確かに悪くはないのですが、自分はそれよりも質が大事だと思っています。3回磨いたところで毎回同じ部分に磨き残しがあると、その部分は虫歯や歯周病になってしまいます。歯と歯の間や歯の裏側は磨きにくいので、よく磨き残しになります。

 僕は患者さんに「何分磨いてますか?」と聞きます。1回につき2~3分くらいと答える人が多い印象です。しかし、これくらいの時間で磨くのが難しい部分まですべてきれいにするのは不可能に近いと思います。なので、1日に1度でよいので少なくとも10分、できれば20~30分はしっかりと磨く機会を確保できると良いです。ただ、毎日これだけの時間を歯みがきに集中させるのはしんどいと思いますので、オススメは「ながら磨きです」。最初は歯磨き粉を付けなくてよいので、お風呂に入りながらや、リビングでテレビを見ながら、パソコンでYouTubeを見ながらなど、なにかと並行して歯磨きを行うと時間を確保しやすいです。途中でたまる唾もそのまま飲み込んでもらって大丈夫です。最後に洗面所で歯磨き粉をつけた仕上げ磨きや、フロスや歯間ブラシを使った補助磨きを行うとなお良しです。

 ながら磨きの注意点ですが、何も考えずにだらだら磨くと、一度も歯ブラシを当てない部分が出てしまいます。そうならないように磨く順番を決めてその順番に磨いていくようにしましょう(どんな順番でもOKです)。

歯磨き
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